特集
失敗キャンパーのギア達による座談会
キャンプギア達が何を考えているのか、持ち主の失敗をどう感じているのかを大公開
みなさん、こんにちは。
今回の特集は、『キャンプギアの本音を聞こう』というものです。
道具の本音をどうやって聞くの?とお思いでしょう。
「週刊失敗キャンプよ、とうとう狂ったか?」と思われるで方もいるでしょうが、断念ながらギリギリ正気を保っています。
実は、失敗キャンプ編集部の取材により、埼玉県に、旧ユーゴスラビア出身の『キャンプギアと話せる』という特殊能力を持った人物がいる事が分かりました。
そこで、九分九厘ウソだと分かっていながら接触してみました。
結局、その人以外誰もギアの声なんて聞けないので裏が取れず、本当かどうかは分かりませんでしたが
まあ、本当かどうかなんて、どうせ誰も気にしないし、面白いからやらせてみようということになりました。
今日はその方に来ていただいています。
ウラシミール・シートビッチさんです。
「コンニチーハ。ドーモ、ヨロスコ。」
はい、こんにちは。
今日は、ウラシミールさんに、ベテラン失敗キャンパーであるMさんの所有するキャンプギア達の声を聞いてもらいます。
では、キャンプギア同士の座談会を開始します。
ウラシミール氏
『さあ!キャンプギア達よ!お前達の声を聞かせたもう!』
『コイコイコイコイ!ギア達よ〜ー!!』
編集部
『そういうの、ホントやめてください。』
ウラシミール氏
「はい・・・。」
「では始めまーす。」
座談会
ドーム型テント
「俺が一番の古株だから、最初に言わせてもらうけど、アイツ(持ち主M氏)、初めの頃はひどいもんだったんだぜ。」
「俺しかテントなかったのに、『あれ?これってどうやるんだっけ?』って、毎回言ってるんだもん。」
「小石を拾わずにテント立てて、後で『イテッ!なんでこんな所に石があるんだよ!』ってキレてんだよ。」
「石は初めからあって、おまえがそこにテントを張ったんだろ!って突っ込んでやりたかったさ。」
焚き火台
「そう。あいつ、すぐ切れるんだよ。それに、すぐにテンパるんだよなぁ。」
「たかだかキャンプで、何であんなに焦ってるんだ?失敗しても命がとられる訳でもないのに。」
「焚き火しながら落ち着いている姿は、それはそれで、何くつろいでんだ!ってムカつくんだよ。」
ドーム型テント
「逆に、本当のピンチの時には、なぜか落ち着いてるのもムカつくけどね。」
「メインポールが夜中にポッキリと折れたときでも、笑いながら応急処置してたんだぜ。キモッ。」
ピルツ19
「私が初めて張られたのは、公園での試し張りだったけど、あの人の汗の量は半端じゃなかったわ。」
「正直言って、あんな汗の人が中に入ってくると思うだけでぞっとしたわ。」
「それに、私って大きいじゃない?狭いサイトでも端っこに寄せるから、隅の方が段差になってたりしてシルエットが歪んじゃうのよ。」
ケシュアタープ
「そっか、酷いところに来ちゃったみたいだな。」
「そういえば、僕はこの前初めてだったんだけど、新品なのに途中から力ずくで扱われたんだ。」
「なんだか上手く設営できなかったからみたいなんだけど、すごくイライラしていて、ポールを曲げられちゃうかと思ったよ。」
ドーム型テント
「あいつ、手入れとか全然やらなくね?」
「みんな手入れとかされた事ないよな?」
焚き火台
「そうそう」
「俺なんて、ぼこぼこだし、BBQで網を使った後にちゃんと洗わずに片づけられたこともあるんだ。」
「次のキャンプまでそのままだぜ?酷いもんだよ。」
ツーバーナー
「俺はもっとひどいぜ。ずっと前から片方着かないのに、直してもらえないんだ。でかいシングルバーナーだよ。」
ケロシンランタン
「俺なんて、手入れどころか、連れて行ってもらったの1回だけだぜ。」
「面倒だからって何年も押し入れの中だなんて、いっその事、ヤフオクにでも出して欲しいよ。」
ダッチオーブン
「私は3回。ほとんど家で使われてる。」
「スノーピークだっちゅーの(ダッチだけに)」
ニトリライト
「僕は逆に、なんでキャンプで使われてたのか分からない。室内用なんですけど。」
焚き火台
「あれ?君かい?屋外で無理矢理こき使われてて、ショートしてテントを燃やしそうになったって言う子は。」
ニトリライト
「まあ、そうだけど・・・。でも僕が悪いんじゃないぞ。あいつが・・・。」
ドーム型テント
「分かってるって。燃えそうになったのは俺だけど、あれは危なかった。」
「失敗のレベルを超えてるよ。普通の室内用の照明をキャンプ場の電源サイトで使うなんて、あいつ頭おかしいんじゃねえの?」
ヘキサタープ
「俺なんて、見てくれよこのシミ。」
「松の木の下に張りやがって、松ヤニで汚れちまったのさ・・・。汚れちまった悲しみに・・・。」
ピルツ19
「でも、あの人、キャンプ好きよねぇ。」
「失敗ばかりしているのに、なんでキャンプに行きたがるんだろ?」
焚き火台
「焚き火好きなんだよ。」
ドーム型テント
「確かに焚き火は好きだけど、それだけじゃないんだって。」
「あいつ、バカだけど、キャンプ自体が好きなんだ。」
「初心者のころ言ってたんだ。」
「キャンプは失敗をするけどそれが楽しい。そのときは大変でショックなこともあるけど、後になるといい思い出だって。」
「それと、失敗を次に活かすのがキャンプの楽しみの一つだから、どこかで失敗を待って楽しんでいるんだってさ。」
「あんなバカでもやっぱ持ち主だし、最初のころに比べたら相当マシになってきたから、これからもあいつと一緒にキャンプ行きたいな。」
ピルツ19
「でも、この前、あなたのことブックオフで売るとかなんとか言ってたけど。」
ドーム型テント
「ハア?!!!」
「嘘だろ?俺は最初のテントだぜ?思い出の量ハンパないだろ?」
「そもそも俺なんて古くて売れないよ。売るんなら、あの使われてないOgawaのテントじゃねえの?」
小川キャンパル スクートDX6
「呼んだか〜。俺様が売られる?そんなわけないだろ。」
「俺様はお前達とは身分が違うって分かってないな?」
「教えてやろう。俺様を買ったのは奥さんだ。」
「ここにいるキャンプギアの中で、俺様だけが奥さんの所有物なのさ。」
「だから、俺様があのバカに売られるわけがないのさ。売られるのは貴様だ。」
ドーム型テント
「くそっ!そういうことか・・・。」
「どうりで使われもしないのに大切にされていると思ったぜ。」
「じゃあ、やっぱり俺は・・・。」
焚き火台
「大丈夫さ。確かに君は初心者用で見栄えもパッとしないし、面白みがないけど、思い出の品まで売るような奴じゃないって!」
ドーム型テント
「ちょっと言い過ぎじゃね?」
「焚き火台だからって炎上覚悟の発言かよ!」
「お前こそ安泰だと思ってたら大間違いだぞ。」
「アイツが新しい焚き火台探してたの知ってるのか?」
焚き火台
「何だと?嘘つけ!」
「俺の事は気に入ってるんだ!その証拠にダッチオーブンを乗せる用にヘビーロストルまで買ったんだぜ!」
「それに俺以上の焚き火台なんてあるものか!」
ドーム型テント
「ヘビーロストル買ったのなんて、いつの話だよ。何年も前だろ?」
「俺たちは結局飽きたら捨てられるんだよ。」
「それにダッチオーブンだって使われてないだろ?」
ダッチオーブン
「そうだっちゅーの」
焚き火台
「ダッチオーブンは黙ってろ!」
「そもそも俺たちがこんな思いをするのはキャンプブームだからだ。」
「そう。キャンプブームが悪いんだ。キャンプブームで面白くて安い色んなギアが売られるようになったから・・・。」
「特にドッペルギャンガーだ。DODが面白いギアを次々と出すから・・・。」
ドーム型テント
「それは違うぞ!キャンプブームのせいにするのは間違ってる!」
「キャンプをする人が増える事を、ギアの俺たちが恨むのはおかしいだろ!」
「あいつだ。悪いのはMだ!。」
「あいつが失敗ばかりする癖に、新しいギアばかり欲しがるから・・・。」
「俺の相棒だったColemanのスクリーンタープは・・・。」
「ヤフオクで売られちまった・・・。」
「あいつだ。俺たちがこんな思いをするのは、やっぱりあいつが全部悪いんだ!」
みんな
「そうだ!そうだ!」