週刊失敗キャンプ part15【キャンプのマナーを学びましょう】
キャンプマナー講座
『キャンプとは自由なものだ』とは言っても、キャンプ場、他のサイト、自然環境には配慮する必要があります。
最低限のマナーというのは、どこの世界にもありますが、マナー違反を犯していても、なかなか直接教えてくれる人がいないのが現状です。
皆さんも知らず知らずのうちにマナー違反をしており、後から気付いて恥ずかしい思いをしたなんて経験があるのでは?
例えば、『大相撲を生で観覧するときは、関取に敬意を払って下着を付けてはいけない。』というマナーがあるのはご存知ですか?
誰も教えてくれないから、テレビで観ているだけでは分かりませんよね?
また、皆さんご存知だと思いますが、京都には独自の文化・マナーがありますよね。
京都独自のマナーの中でもマイナーなものに、『美容院に行った人の髪型を褒めるのは似合っていない事を伝える意味になるのでタブーだ』というものがあります。
知らずに褒めてしまい、嫌な顔をされて赤っ恥をかいた事がある人もいるんじゃないですか?
まぁ、上の2つのマナーは嘘なんですけど、読者の方の中には『えっ?!知らんかった!』と思った人もいるのではないでしょうか?
そんな奴いない?
嘘でしょ?
本当に?
騙されなかった?
まあ、毎回『週刊失敗キャンプ』を読んでいるような人は騙されないのかも知れませんが、雛形あきこさんの旦那さんの様に純粋な人は騙されちゃうかもしれません。
前置きが長いですが、このように、当たり前に『これがマナーです。』と言われると信じてしまう純粋なキャンパーのために、今回の『週刊失敗キャンプ』では、本当のマナーを確認しましょう、ということです。
そこで今回は、キャンプ場で気を付けたいマナーについて、専門家の方に教えていただきたいと思います。
講師はこの道45年、キャンプマナーと言えばこの人
著書『キャンプのマナーは俺が決める』でお馴染み、Mr.マナー・アカーンさんです。
アカーンさんよろしくお願いします。
マナー・アカーンさんの講義
キャンプのマナーは奥が深い。ベテランキャンパーでも知らないマナーが沢山あるんです。
今回は、私が自らキャンプのマナーの全てをお伝えします。
ただし、マナーにもレベルがあります。
一般的に守るべきとされているもの(単に『マナー』と言います。)
出来れば気を付けられるとより良いかなーというもの(このレベルを『カナー』と言います。)
絶対にやってはいけない。やってしまうとキャンプ界から追放されるマナー(『スナー』というもの)
の三段階です。
それぞれご紹介しますので、スナーはもちろん、最低限マナーは守り、出来ればカナーも守れるようにしてください。
なお、私が考えたものもありますが、異論は認めない方向で参ります。
キャンプ場の予約について
マナー
同じ日に複数のキャンプ場を予約しておいて、キャンセル料金が発生する直前でどちらか決めるのは当然マナー違反です。
『人気のキャンプ場ならば直前でキャンセルしてもすぐに予約が埋まるから害はないでしょ?』
という方もいるかもしれませんが、必ず埋まるわけではないし、他のキャンパーの迷惑になるのでやめましょう。
もし、あなたの予約のせいで、『今年の誕生日はスウィートグラスでバースデイキャンプだ〜!!』って楽しみにしていた子供が予約出来なかったらどうするんです?
楽しみにしていた子供の気持ち、予約を任されたのに取れなかった親の気持ちを考えたら、二重で予約するなんてできないでしょう?
カナー
電話での予約は、相手の都合に関係なくかけるという性格を持っています。そのため、電話をかけるときはできる限り相手の都合を予測する必要があります。
そこで、昼休み中は避けるなどの配慮が必要です
ただ、キャンプ場の管理人さんは昼休憩もなく働いている方も多いので、出来るだけ余裕のありそうな時間帯を選んでかけましょう。
昼休みだけでなく、朝の勤務時間直後、十時のおやつタイム、三時のおやつタイム、夕方の勤務時間ギリギリなどは避けて電話するようにしましょう。
おやつタイムを邪魔されたらあなたも嫌でしょう?
また、お昼ご飯の直前は、誰しもお腹が空いてイライラしてしまうので、ここも避けるのが良いでしょう。
このようなことから、キャンプ場の受付時間が午前9時から午後4時となっていても、真に受けてはいけません。
実際に予約の電話が許されるのは、午前11時ごろと、午後2時ごろだけです。正味30分というところでしょう。
スナー
人気のキャンプ場は予約開始日に電話が繋がらないからといって、日時指定の内容証明郵便を配達記録と受け取り時刻証明をつけて送りつけるのはやめましょう。
やって、やれなくはないでしょうが、絶対にスナーです。
到着後
マナー
キャンプ場内では徐行運転をしましょう。
突然子供が飛び出してくることも考えられます。
危ないなぁ、と思わせるだけでも気分のいいものではありません。
カナー
徐行でも危ないので、車を押して移動させると事故にならずに済みますね。
坂道では、自分が車の下敷きになるかもしれませんが、マナーのためなので、多少の我慢と犠牲は必要ですよ。
スナー
フリーサイトで駐車場からリヤカーで荷物を運ぶタイプの場合、リヤカーの台数が少ないと取り合いになる事があります。
急いで設営したいのはやまやまですが、リヤカーはお互いに譲り合って使いましょう。
待っている人がいるのに、リヤカーに子供を乗せて遊ぶのは絶対にやめましょう。スナーです。
子供を乗せて遊んでいると、苛立ったキャンパーによって自分がリヤカーで病院に運ばれる事態になるかもしれません。
サイトに到着したら
マナー
隣のサイトの人には簡単に挨拶しておきましょう。
世間話までする必要はないですが、挨拶する事で、お互いの存在を確認し合う事ができます。
隣にいるのに、いないように振る舞うのは不自然で気持ち悪いですし、あまりにも見えていないような振る舞いをすると、
『あれっ?この人俺の事見えてないのかな?ひょっとして透明人間になるっていう夢が叶ったのかも?!』
なんて勘違いをされてしまうと、面倒な事になりかねません。
急に隣のサイトの人が透明人間のように振舞いだしたら誰が止められるでしょうか?(誰も止められず、透明人間ごっこに付き合うはめになることを想像してみてください。)
カナー
できれば両隣のサイトと向かいのサイト、管理人さんくらいには手土産を渡すとよいでしょう。カナーです。
自分の地元の名産品などを持っていくといいのですが、あまりにベタな手土産は他のキャンパーと被ることになります。
有名店の新商品のお菓子などが日持ちするので無難でしょう。
もしも忘れてしまったら売店に行きましょう。
もちろん薪やガス缶と一緒に並んで置いてあるわけではないですが、管理人さんに『アレください』と言えば、奥から持ってきてもらえます。
ただし、割高になるので、出来るだけ持参した方が良いですよ。
また、もしも違う『アレ』を持ってこられたら、その時は、はにかんで購入するのがマナーです。
管理人さんに恥をかかせてはいけませんからね。
スナー
これからキャンプをするに当たり、誰しも隣のサイトの人がどんな人か、どんなギアを使っているのかが気になるものです。
しかし、サイトに着いて早々にジロジロ見るのはやめましょう。スナーです。
興味があるのを表に出さないように、横目でチラッと見る程度にとどめてください。
この時、サングラスがあると、目線が隠れるので便利です。
もし、隣のサイトの人と、ギアが丸かぶりしていたら設営後早めに『全く同じっすね。ハハッ。ハハッ。』と声をかけておきましょう。
お互いのモヤモヤは早く摘んでおいた方が気持ちよくキャンプできます。
ちょっと休憩
ここまでいくつかのマナーについて見てきて『ああ、面倒だな~』と思った方もいるかもしれません。
それでいいのです。
人に対するマナーとは面倒なもの。
その面倒なことをわざわざする(相手からすれば、わざわざ面倒なことをしてもらった。)ことにこそ意味があるのです。
つまりは、気遣い、心遣いといった気持ちの問題です。
これに対して、自然や環境に対するマナーは、少し意味が違います。
ここでいうマナーは、自然保護、環境保護のためのもので、法律や条例での決まりはないが、自主的に守るべきルールです。
このように、人に対するマナーと自然・環境に対するマナーでは意味が違うことを頭の片隅(頭の引き出しの『昔好きだった給食のメニューの記憶』の隣くらい)に置いておいてください。
ちなみに私は「揚げパン」でした。
休憩と言いつつ、ちょっと固い話になってしまいましたね。(笑)
※編集部より
今回はここまでです。
講師が、休憩と言いつつマナーについて熱く語り出したので正直ウザくなってきました。
揚げパンとか面白くない事まで言い出したので中止します。
続きは次回の週刊失敗キャンプをお待ちください。
講師には『面白くなければ次は無い』とキツく言って聞かせますので、お楽しみに。