前回のあらすじ
にゃんぱく宣言のCMが流れる度に見入ってしまう自分に、ほどほど嫌気がさしていた。
どうしても『飼えない数』から『飼えないKAZU』を連想してしまう…。
CMを見るたびに、岡田監督が『外れるのはカズ、三浦カズ』と言ったシーンを思い出してしまう杏子。
ただ、それと同時に、「北澤も外されたんだ」という事を忘れずに後世へ伝えていくのが自分の使命なんだと心に誓う。
だって私は杏子!ボールは友達!そう、あくまでも友達なのだから・・・。
杏子って誰ですか?
バービーボーイズ?
何の話でしたっけ?
第4章 目を閉じておいでよの薪
楽次郎達はキャンプフェスティバルへの参加を申し込むことにした。
楽次郎
「師匠、キャンプフェスティバルとは何ですか?どうやったら参加できるのでしょう?」
師匠
「キャンプフェスティバルが何かを説明するのは非常に難しい。」
「一言で言えば、キャンプ力を競う大きな大会じゃな。」
師匠
「ただ、キャンプフェスティバルに参加するのは簡単じゃ。誰でもできるのじゃよ。』
「まずは専用のアプリをダウンロードするのじゃ。」
「そうそう。お前はマイナンバーカードを持っておるか?」
楽次郎
「最近作りました。」
師匠
「よし。キャンプフェスティバルの申込みにはマイナンバーカードが必要なんじゃ。」
「まずは専用のアプリをダウンロードして、マイナンバーカードを読み込ませてログインするのじゃが…。お前のスマホは有名な機種か?」
楽次郎
「少し前のiPhoneですけど。」
師匠
「よしよし。そもそもスマホがアプリに対応していないとダメじゃからな。」
「ログインしたら、後はメールアドレスやパスワードを入力して参加の申込みをするのじゃ。」
「ただし、ここで注意が必要なんじゃが・・・。」
「最後の質問で、『キャンプフェスティバルに参加を【希望しない】というチェック欄』があるから気を付けろ!」
「ここにチェックしてしまうと、参加できないんじゃ。」
楽次郎
「えっ!?なんでそんなチェック欄があるんですか?」
「参加の申込みをしてるのに、【希望しない】なんてチェック欄はいらないじゃないですか!」
「それに、誰でも参加できるって言ったわりに、なんだかハードル高くないですか?」
「私はマイナンバーカードをたまたま持ってただけで、普通は持ってないですよ?あんな物使い所がないじゃないですか!」
師匠
「まあ、システムを作った奴がアホなんじゃろ。参加したくなけりゃ申請しなけりゃいいんじゃからな。」
「ただ…。ひょっとしたら、試されておるのかもしれん。」
「キャンプでは、【周りを注意深く見渡す力】が必要じゃ。」
「申込みにも注意力が必要な仕掛けをしておいて、注意力散漫な者をふるいにかけているのかもな。」
「マイナンバーカードにしても、【新しいモノを臆さず取り入れる姿勢】を見られているのかもしれん。」
楽次郎
「そうなのかな…。」
「納得いかないけど… 。」
楽次郎は、師匠の説明に従い、キャンプフェスティバルへの申込みを行った。
防衛大臣の顔を思い浮かべながら、最後のチェック欄に気を付けた。
楽次郎
「師匠!何とか申込みができた様です。」
「自動返信で確認メールが届いたので、OKですよね?」
師匠
「よし!まずは第一関門突破といったところじゃな。」
申込みから数日経過したある日、キャンプフェスティバル運営委員会から【参加許可証】と【開催通知】が郵送されてきた。
しかし、なぜか一緒に毛だらけの【マスク2枚】が入っていた。
楽次郎
「師匠!参加許可証が来ました!」
「でも、何でマスクが2枚入っていたんでしょう?」
師匠
「マスク?」
「何じゃろうな?今までそんな物が届いた事はないはずじゃが・・・。」
「当日何かに使うのかもしれん。小汚い小さな布マスクでも、一応持っておくのじゃ。」
【開催通知】には、他の参加者達の名前が掲載され紹介されていた。
楽次郎
「師匠!大変です!」
「市内大会のはずなのに、今年はなぜだか予選がなくなり、いきなり【全国大会】らしいんです。」
師匠
「まあ、今年は色々あるってことじゃろ…。」
開催地である愛知県からの出場は、楽次郎を含めて3組だけの様だ。
楽次郎
「師匠!他の参加者が載ってますよ!」
「全国かぁ〜。みんな強敵そうだぞ…。」
参加者紹介
⚪︎北海道代表
流氷にペグダウン!
雪中キャンプは未経験だが、夏のキャンプは毎年行ってるぜ!
北野 夏男
(きたの なつお)
⚪︎東京代表
唯一の女性参加者
キャンプに性別は関係ない!
見た目は女性、心はオッサン!
江戸川 粉
(えどがわ こな)
⚪︎地元:愛知県代表
前回覇者は伊達じゃない?
今年もDODで優勝をかっさらうのか?
コールマンを愛さない男達
コブラ会
初出場の謎の無名選手
お前は誰だ?よくマイナンバーカードを持っていたな!
楽次郎
一切の個人情報の公開を頑なに拒む謎の男
仮面を被っての出場を希望する
ミスターX
⚪︎四国代表
彼のガイロープにからまらない奴はいない!
1000本のガイロープを操る男。
百縄 固結
(ひゃくなわ かたむすび)
⚪︎九州・沖縄代表
何人たりとも俺の前には予約させねぇ!
どんな手を使っても、誰よりも早くサイトを予約する男。
ポールポジションとは彼のための言葉だ!
早合点 焦
(はやがてん あせり)
楽次郎
(コブラ会の奴ら、前回の優勝者なのか・・・。)
師匠
(ん???)
(仮面を被って…?この【ミスターX】とはまさか・・・。)
(いや、あいつの訳がないか・・・。)
参加の申込み後も楽次郎のキャンプ修行は続いた。
師匠は、具体的なキャンプのノウハウについても丁寧に教えた。
キャンプ初心者である楽次郎には変な癖が付いていなかったことから、グングン成長した。
それは【乾いたスポンジ】、いや、【撥水加工の取れたテント】に水が染み込むようだった。
自称ベテランキャンパーのように変なこだわりを持っていたら、こうはいかなかったであろう。
そして、キャンプフェスティバル当日を迎えたのだった・・・。
師匠
「楽次郎よ。よくぞ今まで頑張った。
もうワシが教える事は無い!」
「キャンプフェスティバルで今までの修行の成果を見せるのじゃ。」
「最後に、ワシからの餞別じゃ。
目を閉じて手を出すが良い。」
楽次郎は言われたとおり目を閉じ、両手を前に出した。
すると、その手にズッシリと重い荷物が手渡された。
師匠
「よし。目を開けろ。」
楽次郎
「師匠・・・。これは・・・。」
「テント…。しかも、ピルツじゃないですか?!」
楽次郎に渡されたのは小川キャンバルのワンポールテント、【ピルツ】(レッド)だった。
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楽次郎
「いけません!
コレは師匠、あなたの思い出が詰まった大事なテントじゃないですか!」
「しかも、もう廃番になっている物。二度と手に入らないかもしれないのですよ!」
「私にはコールマンがあります。これはいただけません!」
師匠
「いいのじゃ。」
「ワシももう歳じゃ。おそらく、お前は最後の弟子・・・。」
「お前に使ってもらいたいのじゃよ。」
「それに、ワシはコレが欲しいのじゃ。」
「ワンポールテントは2つもいらん。」
「一つ買ったら一つは処分しなきゃ、収納場所がないわ。」
楽次郎
「買い換えなんですね・・・。」
「じゃあ、有り難く貰っておきます。
でも、私にはコールマンがあるので、とりあえずはサブテントと考えておきます。」
ピルツを手に入れた楽次郎は、師匠とともにキャンプフェスティバルの会場へ向かった。
つづく
次回、いよいよキャンプフェスティバルの幕が切って落とされる!
果たしてキャンプフェスティバルとは何か?
いつになったら始まるのか?
本当にやる気(書く気)があるのか?
どうなんでしょう?
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