キャンプ世界の童話 大きなカブ②
大きなペグ②
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そこに現れたのは、なんと、ベテランキャンパーでした。
各キャンプ場に、数える程しかいないと言われる、幻のベテランキャンパーです。
キャンパー①『あっ、あなたは、ベテランキャンパーさんですか?』
『本物のベテランキャンパーに会えるなんて・・・。』
おじいさん『なに?ベテランキャンパーじゃと?』
『見たところ、ペグを抜く何ちゃらリムーバーを持ってるキャンパーと変わらんじゃないか。』
『お前は何を持ってるんだ?』
キャンパー①『何を言ってるんだ。この方のかもし出す余裕のある雰囲気。そして、一流メーカーの名前が刺繍された、ゴアテックス素材のサファリハット。』
『サファリハットなんて、キャンプ以外で被らないから、一流メーカーの物を買うなんて、ベテランキャンパーだけのはず。』
『そして、なんと言っても、ベテランキャンパーの印であるエプロンをしているじゃないか!』
おじいさん『エプロンしてりゃベテランなのか?』
キャンパー①『そりゃ、ベテランでもなけりゃ、エプロンなんか恥ずかしくてできないだろ?』
『初心者がエプロン着けても、"いかにも"って感じになるんだよ。』
おじいさん『よく分からんが、そのエプロンキャンパーは、何を持ってるんだ?』
『エプロンのポケットから早く出せよ。』
キャンパー②『はっはっは。僕がベテランキャンパーがどうかは、自分では分からないよ。』
『まあ、年間20泊くらいしてるから、そろそろベテランキャンパーといってもいいかもしれないがね。』
『あと、このエプロンのポケットからは、何も出てこないよ。』
『出てくるのは、キャンプの経験と知識くらいかな? はっはっはっ。』
おじいさん『何が面白いのか分からん。』
『年間の泊まった回数で何か決まるのか?ポイントカードでもあるんか?アパか?袴田か?』
『ベテランなら、このペグを抜く方法を教えんかい!』
キャンパー②『はいはい。分かりましたよ。』
『いいですか、ペグを抜きたいなら、テコの原理を使うんですよ。』
『こうやって、もう一本ペグを用意して、そのペグを使って・・・。』
そう言いながら、キャンパー②は問題のペグに、もう一本のペグを噛ませようとしたのですが、
キャンパー②『こりゃ、ダメだ!こんなに埋もれてるなんて。頭の先っぽしか見えないじゃないか!』
おじいさん『だから、抜けないんじゃろが!』
キャンパー②『よぉ〜し。こうなったら、周りの土を除いてから・・・。』
そう言うと、キャンパー②は、ペグの周りの土を、もう一本のペグで掘り始めました。
おじいさん『なんじゃ、結局、ただペグで土を掘ってるだけじゃないか。』
『テコの原理はどこにいったんじゃ?』
『テコの原理と言いながら、穴を掘ってる姿をアルキメデスが見たら泣くぞ!』
『偉そうに泊まった回数まで発表しておいて、ベテランキャンパーを名乗るのは早かったようじゃな。』
『袴田に謝れ!』
『大事なエプロンが土で汚れとるぞ。』
おじいさんが、キャンパー②を攻め立てていると、
?????『いい加減にしなよ!』
そこに現れたのは・・・・
つづく➡