名探偵キャンパー コールマン <第四話>【解決編 後半】
コレは
キャンパーの、キャンパーによる、キャンパーのための読み物です。
初めての方は第一話からどうぞ
rakujirou.hatenablog.com
前回<第三話>はこちら
rakujirou.hatenablog.com
前回のあらすじ
キャンプ場の流し台をつまらせた犯人は犬山だった。
逆ギレした犬山は、そばにあったナイフを蘭に向かって投げつけたのだった。
ナイフは蘭の顔めがけて一直線に飛んでいった。
蘭はとっさにテーブルの上のカッティングボードでナイフを防いだ。
『カッ!』
ナイフがカッティングボードに突き刺さった。
蘭
『なにするのよ!』
蘭はカッティングボードからナイフを引き抜いた。
蘭
『危ないわね!』
『ナイフはこうやって、相手の眉間を狙って投げるのよ!』
蘭は犬山めがけてナイフを投げつけ返した。
ナイフは犬山の眉間に向かって一直線に飛んでいった。
『グサっ!』
犬山
『ひっ!ヒェ〜』
蘭
『えへっ。なんちゃって。』
『トウシロ相手に当てるわけないでしょ。』
ナイフは犬山の耳元をかすめ、後ろに生えている木の幹に深く突き刺さっていた。
犬山は腰が抜けてしまい座り込んだ。
コールマン
(あっぶねぇな。【ナイフ使いの都大会チャンピオン】蘭にナイフを渡したらこうなるっつうの。)
小五郎(コールマン)
『犬山さん…。あなたもキャンパーの端くれのはずだ。
キャンプは不自由を楽しむものだって事くらい理解してるでしょう。
それは炊事場でも同じです。
洗い物の様な面倒で楽しくない作業に、家にいるときの様な快適さを求めるなんてキャンパーとしてどうなんですか?』
『もちろん、全ての作業で不自由を楽しむのはなかなか難しいでしょう。例えば洗い物は家に帰ってからしたっていい。
でも、自分の都合でキャンプ場に快適さを求めるなんてキャンパー失格です。
合わせるのは利用者の方ではないんですか?』
犬山
『うぅ・・。その通りです。』
小五郎(コールマン)
『何を楽しみにキャンプに来るのかは人それぞれだし、自由です。
木地谷さんのように、炊飯はインスタントで手抜きして、それ以外の楽しみに時間を使うのも自由でしょう。
でも、キャンプ場を利用させてもらう限りは、最低限のルールやマナーを守るべきです。
良いキャンプ場は管理人さんだけで作るものじゃない。
利用する一人一人のキャンパーの質がキャンプ場の質を高めるんです。』
『キャンプ場の炊事場、特に流し台はキャンパーの質が一番現れる場所なんです。
米が散らかったこの流し台は、あなたの心を現しているんですよ。』
目黒警部
『毛羅くん。良いことを言っているんじゃが、ハンモックに寝そべりながら言うもんじゃないぞ。
君はマナーとか言える立場じゃないんじゃないか…。』
犬山
『うぅっ・・・。』
『す、すみませんでした。】
『最近キャンプを始めたばかりで、必要な物やルールがよく分からなかったんです…。』
『自分の至らなさをキャンプ場のせいにしてしまって恥ずかしい。』
『次からはちゃんとゴミの処理の事も考えて準備します。』
小五郎(コールマン)
『分かってくれたようですね。』
犬山
『さっそくコレをポチります。』
あと、コレも
それともコッチのがいいですかね?
小五郎(コールマン)
(バーロー、そういうことじゃないっつうの)
高木刑事
『警部。』
『今回は初犯ということだし、流し台を掃除してくれればお咎めなしでいいですよね。』
目黒警部
『そうだな。
これからは気を付けてキャンプするんだぞ。』
『とでもいうと思ったか!』
『ナイフは当たらなかったから良かったらものの、キャンプでのマナー違反は他のキャンパーに迷惑をかける重罪だ。
キャンプマナー法違反で逮捕する!』
こうして流し台を詰まらせた罪で犬山は連行されていった。
帰り道
蘭
『それにしてもメスティンって米の研ぎ汁でシーズニングするのね。でも、そんな事お父さん良く知ってたわね。』
小五郎
『おっ?おう。当たり前よ!』
(いつもの様に何も覚えてねぇ。)
蘭
『じゃあ、アレも知ってる?
【メスティンで一人飯】の反対が【オスマン帝国】ってなんでなのかな?】
小五郎
『ん? それはだなぁ。 』
『ええっとだなぁ…。
【メス】の反対が【オス】だろ?
【ティン】の反対が【マン】
【一人飯】の反対が【帝国】ってことか?』
蘭
メスとオスは分かるのよ。
でも、ティンの反対がなんでマンなの?
コールマン
(やべぇ、ごまかさなきゃ。)
『蘭姉ちゃん。そんな事より僕お腹減っちゃったな。』
蘭
『ちょっと待ってなさいよ!今話してるでしょ!空気を読みなさいよ!』
コールマン
『ううっ…』
小五郎
『ティンは【珍】じゃないのか?つまり、珍しいって意味。それで、その反対の【萬】は《よろず》で沢山あるって意味だろ?
ほら、中華料理屋の名前とかでも使われてるじゃないか。萬珍軒とか、珍萬軒とか。
あれは、《珍しいものが沢山ある》とか、《珍しい物から、よくある物まで》とか、そんな意味じゃないのか?』
小五郎
『ただ、【一人飯】の反対が【帝国】ってのはこじつけだな。』
蘭
『そっか!さすがお父さん!』
コールマン
(あっぶねぇ。そっちの意味ね…。)
おわり
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