キャンプ世界の童話 シンデレラ②
シンデレラ②
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魔法使いのおばあさんの魔法で、光に包まれたシンデレラ。
シンデレラ『ま、、まぶしい・・・』
『ジェ、GENTOS(ジェントス) LED ランタン明るさ1300ルーメンのエクスプローラー EX-1300Dの白色くらい眩しい!!め、め、目が〜〜!!』
魔法使い『あら、ごめんなさい。魔法をかけるのと同時に、以前クラウドファウンディングでお安く手に入れたルーメナー2のスイッチ付けてたわ。』
『惜しかったわね。1300ルーメンじゃなくて、1500ルーメンでした。』
『それにしても、こんなに小さいのに1500ルーメンって、昨今の技術の進歩ってどうなってるのかしらね?』
『クレイモアプロLに至っては、2500ルーメンって、なんじゃそら!メインで使うガソリンランタン並みの明るさじゃないの。』
『これ、絶対隣のサイトに向けて付けたらいけないヤツよね。せっかくガソリンとか、ガスの炎を細々と楽しんでるのに、強烈な照明で照らされるなんて、ほら、あれよ。』
『グラビア業界に現れたインリン・オブ・ジョイトイ、ゆるキャラ業界に現れたふなっしーみたいなもんよ。』
『そう、ふなっしー・オブ・ランタンよ!!』
『あら、一人で盛り上がっちゃったわね。』
『でも、ほら見てごらん。』
シンデレラが徐々に回復した目で、自分の服装を見てみると、
上はColumbiaのマウンテンパーカー、下はCHUMSのハーフパンツ。頭には、ノースフェイスのゴアテックス製サファリハットという、オシャレキャンパーっぽい服装になっていました。
シンデレラ『わぁ!すごい!アウトレットじゃない新作のキャンプウエアだぁ〜!』
『これならグルキャンに行けるわ!』
魔法使い『あら、気に入ってくれたみたいね。』
『それじゃ、こっちはどうかな?』
魔法使いは、今度は窓の外に向かって、何やら大きな声で唱えはじめました。
魔法使い『レクヴィ、バンテック、トイファクトリー』
『かーいんてりあ高橋!!』
『ほら、外を見てごらん。』
魔法使いに促され、シンデレラが外に出てみると、
そこには、カムロードベースのキャンピングカーが停まっていました。
シンデレラ『これは?ひょっとして、ジル?』
『キャンピングカーには詳しくない私でも分かるわ。これはZiLでしょ?』
『すご〜い!!』
『魔法でキャンピングカーまで出せるなんて!』
『魔法って最高!』
魔法使い『いやいや、これは魔法じゃないんだよ。』
『これは、私がコツコツ貯めたお金を頭金にして、最近やっと7年ローンで購入したんだよ。』
『魔法も万能じゃないんだよ。こんな高価な物までホイホイ出せたら、わたしゃ今頃大金持ちさ。』
『物には限度ってものがあるだろ。』
『限度と言えば・・・。私は限度を知らないキャンパーが大嫌いなんだ。』
『ブームだからといって、焚き火台も使わずに地面で直に焚き火をする初心者もそう!』
『グルキャンでテンションが上がって、夜中までバカ騒ぎするキャンパーもそう!』
『限度を知らないキャンパーが私は許せない。そう、許せないの!』
シンデレラ『なんだかごめんなさい。魔法じゃないのね。でも、おばあさんが、なんだか呪文のようなものを唱えたから、てっきり魔法かと思ったの。』
魔法使い『こちらこそ、取り乱してしまったようね。ごめんなさい。』
『あれは呪文じゃなくて、ただキャンピングカービルダーを叫んだだけ。』
『いえ、むしろ、かーいんてりあ高橋って言いたいだけなの。気にしないで。』
『そんな事より、これでグルキャンに行けるんじゃない?』
『さあ、早くしないと!』
シンデレラ『でも、私、ZiLなんて運転出来ないわ。』
『無理よ。こんなに大きい車。』
『無理ジルよ。』
魔法使い『仕方ないねぇ。私が運転するから、さぁ乗りな!』
『せっかくだから後ろに乗りな!』
『シートベルトは締めるんだよ。揺れるからね。』
『あと、トイレは使わないでよ。処理が大変だから。』
『ああ、それと、水道は出ないからね。タンクに水を入れてると腐るから。』
こうしてシンデレラは、おばあさんの運転で王子様主催のグルキャンに向かいました。
つづく➡