キャンプ世界の童話 シンデレラ③
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①はこちらから
魔法使いのおばあさんの運転で、キャンピングカーZiLに乗り、王子様主催のグルキャンに向かったシンデレラ。
シンデレラ『お、おばあさん・・・。揺れて気持ち悪い・・・。』
魔法使い『あら、そう。運転してると酔わないから不思議よね。』
『車の運転七不思議のひとつよね。』
シンデレラ『車の運転七不思議って、初めて聞いたわ。他には何があるの?』
魔法使い『ひとつ聞くたびに毛穴が広がっていくけど、他の六つも聞きたい?』
『ちなみに、七つ全てを聞くと、森脇健児になるわよ。』
シンデレラ『絶対イヤ』『言わないで!』
魔法使い『まあ、そうよね。実際私も森脇健児になったときには焦ったわ。』
『必死に魔法を勉強して元に戻ったんだけど。地獄の日々だったわ。マラソンしなきゃいけないし。』
『そして、キャンピングカーは、高速道路で後ろからトラックに追い抜かれる時に、吸い込まれる様にフラつくから不思議よね。』
『これ二つ目ね。』
シンデレラ『イヤ〜!!言わないでって言ったじゃない!』
『毛穴が・・・広がっていくのを感じる・・・。』
魔法使い『それはそうと、さっきも言った様に、私は限度を知らないキャンパーが許せないの。』
『だから、いくら王子様主催のグルキャンだからって、静寂時間の10時になったらお開きにすると約束してちょうだい。いいわね?』
シンデレラ『分かったわ。つまり10時で魔法が解けるってことね?』
魔法使い『いえ。魔法が解けるのは12時と相場が決まっているの。だから、これは魔法とかじゃなくて、個人的な約束。』
『いえ、単なるマナーの話をしてるの。』
シンデレラ『そうなのね。分かったわ。いえ、宗茂、宗猛の宗兄弟なのね。分かったわ。』
『マナーでも、カナーでも、大丈夫!約束は守るわ!』
シンデレラがマイブームの双子ダジャレを言っているうちに、車はグルキャンの会場になっているキャンプ場に到着しました。
魔法使い『さあ、着いたよ。どうやら、キャンピングカー専用サイトがあるキャンプ場だね。』
『キャンピングカーは普通のオートサイトには入れないから、ここからは一人でお行き。』
『帰りは10時にココで待っているから。』
『そうそう、管理棟で人数が増えたって申告するのを忘れない様にね。あと、合流するならゴミ袋を買って持っていくといいわ。これはマナーよ。』
『そして、会いたくて会いたくて震えるのはカナーよ。』
シンデレラ『分かったわ。でも、結局おばあさんのトリセツは分からなかったわ。ありがとう。いってきます!』
グルキャンの会場では、20人ほどの集団が輪になって焚き火を囲んでいました。
シンデレラ『あっ!お継母さんとお姉さん達だ!』
継母『えっ!?何であなたがここにいるの?』
姉1『シンデレラじゃないの!あなた、どうやってここまで来たの?』
姉2『・・・クソが!』
継母と姉達は驚いた拍子に、座っていたHelinoxのチェアワンに似た中華製の椅子がひっくり返り転んでしまいました。
持っていたグラスを落としましたが、snow peakのクラルテシリーズのタンブラーだったので大丈夫でした。
王子様『大丈夫ですか?お怪我はありませ・・・』
『あなたは・・・』
王子様はシンデレラを一目見て目が離せなくなりました。
それは、シンデレラの毛穴が開いていたからではなく、他の参加者に比べて・・・、そう、あくまで比較の問題ではあったものの、シンデレラが若くて美しかったからでした。
王子様『こちらの方はどなたですか?』
王子様はひっくり返っている継母に尋ねました。
継母『これは私の娘です。ただ、今日は用事があって来れないって言ってたんですけど・・・。』
シンデレラ『実はね。親切だけど、ちょっとメンタルに難のあるおばあさんに連れてきてもらったの。』
シンデレラは王子様たち参加者に向かって挨拶しました。
シンデレラ『どうもはじめましてこんばんみ!私、シンデレラと言います。』
『キャンプ大好きなんで来ちゃいました!』
王子様『シンデレラって名前なの?外国の方かな?』
シンデレラ『やだわ。あだ名っていうか、愛称なんです。キャプテンスタッグの事を鹿番長って言うのと同じです。』
『元々は、父がなぜか私の事をシンデレラって呼び始めて、次第にみんなもシンデレラって呼ぶようになったんです。』
『本名はマキコです。父が焚き火が大好きなので、焚き火で使う薪の子供と書いて薪子。』
王子様『そうですか・・・。』
王子様は、キャンプ好きじゃなかったらグレてもおかしくない名前だと思いましたが、言いたい気持ちをグッと抑え込み、心の焚き火で燃やしました。
王子様『じゃあ、薪子ちゃんも一緒に焚き火しよっか。』
『椅子がないから僕の横にくるといいよ。僕の椅子はスノピのラックソットだから、二人座れるし、夜はコットにもなるんだ。』
シンデレラは王子様の横に座り、一緒に焚き火をしながら会話を楽しみました。
しかし、徐々にシンデレラは会話よりも焚き火に夢中になっていきました。
王子様『薪子ちゃん。ちょっと薪を入れすぎじゃないかな?炎が大きいよ。』
シンデレラ『私、チョロチョロした焚き火は嫌なの。炎が高くまで上がる豪快な焚き火が好きなの。』
王子様『僕は焚き火台の中で綺麗に薪を並べて、しかも、炎も綺麗な形になるように調整するのが好きなんだけど・・・。』
シンデレラは焚き火に夢中になり王子様の声が聞こえません。
シンデレラ『もっと薪ください!もっと!もっと!せっかくのグルキャンなんだからパーっといきましょう!』
『薪をじゃんじゃん燃やすわよー!』
『違う!広葉樹じやなくて、針葉樹の薪が欲しいの!』
『じゃんじゃん燃やすって言ってるのに広葉樹持ってくるバカがどこにいるの!』
シンデレラがどんどん針葉樹の薪を入れるので、炎はさらに大きくなり、轟々と燃えました。
空に舞い上がった火の粉が燃え尽きて灰になって落ちてきます。
でも、シンデレラはお構いなしに焚き火を続けました。
王子様『薪子ちゃん。危ないよ。それに、灰がいっぱい落ちてきてるよ。』
『ほら、帽子にもいっぱい付いちゃってるよ。』
王子様は焚き火の炎で照らされるシンデレラの顔を覗き込みました。
王子様『あれっ?薪子ちゃん。明るいところで見ると、なんだか感じか違うね。』
『毛穴が・・・』
シンデレラ『えっ?!毛穴?』
『嫌!!やめてください!見ないで!』
『違うの!これは・・この毛穴は違うの!おばあさんが魔法で・・・』
王子様『魔法?』
シンデレラ『そう、この毛穴は魔法・・・違う!呪いよ!七不思議の呪いなの!』
シンデレラは毛穴を見られたショックで興奮状態でした。
そんなシンデレラに焚き火の燃えかすの灰が降りかかっていました。
シンデレラの帽子は真っ白になっていました。
王子様『そうか。灰かぶり姫・・・。シンデレラってそういう意味だったんだね。』
王子様は思いました。
焚き火の好みが違う女性とは付き合えないなぁ。
それに、シンデレラと呼ばれるほど灰をかぶりながら焚き火に夢中になってるのも引くし、しかも、毛穴が広がってる上に、精神に異常のある女性って怖いな、と。
王子様『ええっと。薪子ちゃん。そろそろ夜も遅いから、椅子をコットにしたいんだ。悪いけど、どいてくれるかな。椅子に灰も付くし。』
王子様はシンデレラから離れていきました。
シンデレラは毛穴を見られたショックでしばらく放心状態でしたが、ふと時計を見ると、10時10分になっていました。
シンデレラ『しまった!約束の時間を、過ぎてしまったわ。急がなきゃ!』
シンデレラはおばあさんとの待ち合わせ場所に急ぎました。
そこには、遠目でも分かるほどに怒っているおばあさんがZiLの前で仁王立ちしていました。
シンデレラ『おばあさんごめんなさい。焚き火に夢中になっちゃって・・・。』
魔法使い『言ったわよね。私、何度も言ったわよ。ああ、言った。絶対に言った。言わないわけがない。』
『あれだけ言ったのに、あなたは・・・。』
シンデレラ『本当にごめんなさい。』
魔法使い『それに、何?その真っ白な頭は?灰だらけじゃないの?!』
『そんなんじゃ、私の大切なZiLには乗せられないわ!』
『走って帰りなさい!』
シンデレラ『そんなぁ〜。こんな所から走って帰れないわ。お願い。乗せてください。』
魔法使い『それじゃあ、走れるようにしてあげるわ』
そういうと、魔法使いは車の運転七不思議の残り5つを立て続けに言い切りました。
シンデレラ『やめて!毛穴が!』
『違う・・・。何?身体がおかしい・・・。力が、力が溢れてくるわ!』
魔法使い『よし。その姿なら走って帰れるわね。』
シンデレラは車の運転七不思議を全て聞いた事で、がっつり森脇健児になっていました。
シンデレラ改め森脇健児
『よっしゃ〜!!やりますよー!赤坂通って家まで帰るぞ〜!!』
『やる気!元気!森脇!』
おわり
※キャンプでは限度を超えないように気をつけましょう。
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役に立たないくだらない話をご希望の方は、引き続き『おふざけキャンプ』をご覧ください。
週刊失敗キャンプ part4
週刊失敗キャンプ part4
インタビュー
失敗キャンプ愛好家の皆さま。こんにちは。
猫です。
今日は、先日の『失敗キャンパー診断』で10個全ての項目に当てはまってしまったベテラン失敗キャンパーである『Mさん』への、猫によるインタビューの様子をお届けします。
※『失敗キャンパー診断』がまだの方はこちらへ
(読者の皆さまへ)
ウチの猫は、元野良なので、気が強く、愛想良くする事もできません。
猫『Mさん、こんにちは。本日はよろしくお願いします。』
Mさん『よろしくどうぞ。』
猫『どうぞ?』
『そこは"よろしくお願いします。"でいいんじゃないですか?なぜ"どうぞ"ってカッコつけるんです?そういう所が失敗する原因なんじゃないですか?』
Mさん『いや、別に・・・。』
猫『別にって、何ですか?』
『こっちは聞いているんですけど。別に何なんですか?』
Mさん『あぁ・・・。』
『べ、別にというか、そ、そんなに意識したことないです。』
『すいません。訂正します。よろしくお願いします。』
猫『いえ、謝らなくていいです。怒っているわけではないですから。』
『では、早速ですが、失敗キャンプ診断の全ての項目に当てはまってしまうMさんにとって、今までで一番のキャンプでの失敗は何でしょう?』
Mさん『一番の失敗かぁ〜。』
『そうだなぁ。一番かどうかは分からないですけど、旅行のスケジューリングを失敗して、完全に日没後の真っ暗な中で設営したっていう失敗はありますね。』
『真冬だったんですけど、真っ暗だし、寒いし、強風だったし、ご飯もまだだったので、泣きそうでした。』
猫『そうですか。でも、泣きたかったのは家族でしょうね。』
『他には?』
Mさん『他には・・・。ええっと・・・。すぐには思い出せないなぁ。』
猫『Mさん。今日インタビューするって分かってましたよね?「失敗キャンプ」のインタビューで、今までの失敗を聞かれるのは当然なのに、どうして準備してないんですか?』
『そんな事だから失敗するんです。』
『どうせ、準備不足での失敗もあるんでしょ?』
Mさん『ええ。そうですね。準備不足の失敗もあります。』
『例えば、以前、夏休みに北海道へ長期キャンプに行ったんですけど、いくら北海道でも真夏なら寒くないだろうって、舐めてたんです。』
『そしたら、最高気温が18度くらいしかなくて、夜寒くて寝られなかったんですよ。』
『ホントびっくりしましたよ。次の日にUNIQLOでダウン買いました。北海道って、真夏でもダウン売ってるんですよ。これにもびっくりしました。』
猫『Mさん。びっくりした話を聞いてるんじゃないです。準備不足で失敗した経験を聞いたんです。』
『どうやらMさんは、準備不足、下調べ不足という自分の失敗を、びっくりした話にする事で責任を逃れたり、反省をする機会をなくしていると考えられます。』
『うん。Mさんの事がだんだん分かってきましたよ。』
『インタビューを続けます。』
『では。よくやってしまう失敗なんてありますか?』
Mさん『そうですね。忘れ物はします。』
猫『断言するんですね。』
Mさん『しなかった事は無いと思います。』
『大きいものから些細なものまで、色々忘れます。詳しくは覚えてないですけど。・・・』
猫『忘れた事も忘れるんですね・・・。』
『では、例えば、大きい物と言うと、テントとか?』
Mさん『テントなんて忘れるわけないじゃないですかぁ〜。やだなぁ〜。いくら僕でも流石にテントは持っていきますよ。』
『でも、タープは忘れたかな。あと、キャノピー用のポールとか。』
猫『タープを忘れたのもなかなかですよ。』
『では、一番困った忘れ物は何ですか?』
Mさん『あれ?また一番を聞きますか。猫さんは一番にこだわりますね〜』
『まるで蓮舫さんみたいですね。』
猫『それ逆ですよ。蓮舫さんは、「一番じゃなきゃダメですか?」って言った方なので、こだわってたのは相手です。』
『Mさんは、会話も不正確で適当ですね。』
『そんな事だから、どうせサイトのレイアウトも考えずに適当なんでしょうね。』
Mさん『まあ、否定はできないですね。』
『ある程度は考えてるんですけどね〜。電源サイトで電源との距離を考えずにテントを立てて、コードが届かなかったって事は一度や二度ではないです。』
『電源の位置って分かりづらい事が多いんですよね。分かりづらいならチェックインの時に言って欲しいですよ。ホント。』
猫『それ、自分の失敗をキャンプ場や管理人さんのせいにしてますよね。』
『そんな風に、失敗を人のせいにする所もMさんの特徴でしょうね。』
Mさん『ハハッ。厳しいな。』
猫『今回は短いインタビューの中で、なぜMさんがベテラン失敗キャンパーなのかがよく分かりました。』
Mさん『えっ?!もう終わりですか?』
猫『Mさんが失敗談を準備していないし、これ以上は無駄ですからね。』
Mさん『まあ、良いですけど。でも、僕が失敗する理由が分かったのなら教えてくださいよ。』
猫『嫌です。私が失敗する理由を言っても、どうせ忘れるし、否定して人のせいにするし、適当にしか受け止めずに反省しないから、言うだけ無駄です。』
Mさん『そんな事言わずに教えてくださいよ〜。』
猫『だから実質的に今言っただろ!!』
『シャー!!!』
おわり
※Mさんは架空の人物ですが、あなたの中にもMさんはいるかもしれません・・・。
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ダラダラと音を立てて・・・。
キャンプ世界の童話 シンデレラ②
シンデレラ②
前回はこちら
魔法使いのおばあさんの魔法で、光に包まれたシンデレラ。
シンデレラ『ま、、まぶしい・・・』
『ジェ、GENTOS(ジェントス) LED ランタン明るさ1300ルーメンのエクスプローラー EX-1300Dの白色くらい眩しい!!め、め、目が〜〜!!』
魔法使い『あら、ごめんなさい。魔法をかけるのと同時に、以前クラウドファウンディングでお安く手に入れたルーメナー2のスイッチ付けてたわ。』
『惜しかったわね。1300ルーメンじゃなくて、1500ルーメンでした。』
『それにしても、こんなに小さいのに1500ルーメンって、昨今の技術の進歩ってどうなってるのかしらね?』
『クレイモアプロLに至っては、2500ルーメンって、なんじゃそら!メインで使うガソリンランタン並みの明るさじゃないの。』
『これ、絶対隣のサイトに向けて付けたらいけないヤツよね。せっかくガソリンとか、ガスの炎を細々と楽しんでるのに、強烈な照明で照らされるなんて、ほら、あれよ。』
『グラビア業界に現れたインリン・オブ・ジョイトイ、ゆるキャラ業界に現れたふなっしーみたいなもんよ。』
『そう、ふなっしー・オブ・ランタンよ!!』
『あら、一人で盛り上がっちゃったわね。』
『でも、ほら見てごらん。』
シンデレラが徐々に回復した目で、自分の服装を見てみると、
上はColumbiaのマウンテンパーカー、下はCHUMSのハーフパンツ。頭には、ノースフェイスのゴアテックス製サファリハットという、オシャレキャンパーっぽい服装になっていました。
シンデレラ『わぁ!すごい!アウトレットじゃない新作のキャンプウエアだぁ〜!』
『これならグルキャンに行けるわ!』
魔法使い『あら、気に入ってくれたみたいね。』
『それじゃ、こっちはどうかな?』
魔法使いは、今度は窓の外に向かって、何やら大きな声で唱えはじめました。
魔法使い『レクヴィ、バンテック、トイファクトリー』
『かーいんてりあ高橋!!』
『ほら、外を見てごらん。』
魔法使いに促され、シンデレラが外に出てみると、
そこには、カムロードベースのキャンピングカーが停まっていました。
シンデレラ『これは?ひょっとして、ジル?』
『キャンピングカーには詳しくない私でも分かるわ。これはZiLでしょ?』
『すご〜い!!』
『魔法でキャンピングカーまで出せるなんて!』
『魔法って最高!』
魔法使い『いやいや、これは魔法じゃないんだよ。』
『これは、私がコツコツ貯めたお金を頭金にして、最近やっと7年ローンで購入したんだよ。』
『魔法も万能じゃないんだよ。こんな高価な物までホイホイ出せたら、わたしゃ今頃大金持ちさ。』
『物には限度ってものがあるだろ。』
『限度と言えば・・・。私は限度を知らないキャンパーが大嫌いなんだ。』
『ブームだからといって、焚き火台も使わずに地面で直に焚き火をする初心者もそう!』
『グルキャンでテンションが上がって、夜中までバカ騒ぎするキャンパーもそう!』
『限度を知らないキャンパーが私は許せない。そう、許せないの!』
シンデレラ『なんだかごめんなさい。魔法じゃないのね。でも、おばあさんが、なんだか呪文のようなものを唱えたから、てっきり魔法かと思ったの。』
魔法使い『こちらこそ、取り乱してしまったようね。ごめんなさい。』
『あれは呪文じゃなくて、ただキャンピングカービルダーを叫んだだけ。』
『いえ、むしろ、かーいんてりあ高橋って言いたいだけなの。気にしないで。』
『そんな事より、これでグルキャンに行けるんじゃない?』
『さあ、早くしないと!』
シンデレラ『でも、私、ZiLなんて運転出来ないわ。』
『無理よ。こんなに大きい車。』
『無理ジルよ。』
魔法使い『仕方ないねぇ。私が運転するから、さぁ乗りな!』
『せっかくだから後ろに乗りな!』
『シートベルトは締めるんだよ。揺れるからね。』
『あと、トイレは使わないでよ。処理が大変だから。』
『ああ、それと、水道は出ないからね。タンクに水を入れてると腐るから。』
こうしてシンデレラは、おばあさんの運転で王子様主催のグルキャンに向かいました。
つづく➡
週刊失敗キャンプ part3
ママさんキャンパー
100人に聞きました
《キャンプで旦那のココが許せない》
答えは7つ
1位 設営が遅い
代表的な声
Aさん
『いつも同じテントなのに、なんで毎回「あれっ?あれっ?」とか言ってんの!?』
『学習しないの?』
『そのテント呪われてるの?』
Bさん
『ちょっと動くと大汗かいて「フゥ〜、フゥ〜。」って息を切らしてるけど、出産するの?何を産もうとしてるの?』
Cさん
『段取りが悪すぎる。考えて動いてない。』
『大丈夫?脳みそ忘れてきたの?』
2位 いつのまにかビールを飲んでいる
Dさん
『酔っ払ったら子供の相手をする人がいないのに・・・。』
『ひょっとして、キャンプ場って子供の相手をする妖怪でもいるの?』
Eさん
『なに勝手に一息付いてんの?まだテント立てただけでしょ。テントの中の整理は誰がするのかな?自分でできなきゃ、クソ高いグランピングってのがあるんだけど、お金出していただけるかしら?』
3位 いつのまにかギアが増えている
Fさん
『イスばかり買ってどうすんの?誰が座るの?7つ集めると願いが叶うの?』
Gさん
『「あると便利だから」って理由で買うならキャンプなんて辞めちまえ!家で大人しくmonoマガジンでも読んでて!』
4位 こだわりが強すぎる
Hさん
『テントとタープの色合いとかどうでもいいです。』
Iさん
『バースデーランタンってどういう事?同じ様なの持ってなかったっけ?これも7個集めるの?』
5位 なし
大門さん
『ウチの旦那は失敗しないので。』
Jさん
『特にないです。コレって言うのがあるわけではなく、何となく許せないだけですね。』
6位 SNS映えを気にする
Kさん
『インスタにアップする写真を撮るときに「そこどいて。」って言われるのが腹が立つ。』
Lさん
『「映えるね〜。」とか若者ぶって言ってるけど、頭の毛は生えないのね。』
7位 顔がムカつく
Mさん
『ヤムチャと結婚したはずなのに、いつのまにか魔人ブウになってる。』
※今回はママさんキャンパー達の本音が溢れ出てしまい、なんだか怖くなってしまいました。
次回の週刊失敗キャンプをお楽しみに。
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キャンプ川柳⑦
パチパチと
褒めてくれるの
焚き火だけ
◎焚き火のパチパチ音。誰にも褒められない自分に、焚き火だけは拍手してくれているのかしら?と感じてしまっている、気持ち悪いメンヘラチックな一句です。
◎よく、『焚き火なら、何時間でも見ていられる』って言う人がいますが、本当に何時間もただ見ていた事があるのでしょうか?
あれですかね?『明太子があれば、ご飯何杯でもいける!』ってのと同じですかね?
私も"タキビニスト"を名乗るほどの焚き火好きですが、焚き火だけだとご飯2杯が限界です。
ちなみに、おかずがあってもご飯2杯が限界です。
何の話でしたっけ?
◎夜、焚き火を見ながら、その日のキャンプの失敗を思い起こしたりしますが、次の日にはスッカリ忘れています。
焚き火には嫌な事を忘れさせる効果があるのでしょうね。
まぁ、焚き火をしてなくても、色んなことを忘れるお年頃ですが・・・。
◎ご存知の事でしょうが、焚き火がパチパチ弾けるのは、薪に水分が含まれているかららしいですね。
当たり前ですが、特に褒めてくれている訳ではないのです。
それを踏まえると、パチパチ音が『拍手じゃないぞ。図になるなよ。小僧。』と言われているように聞こえるから不思議です。
キャンプ世界の童話 シンデレラ
シンデレラ
あるところに、シンデレラという、キャンプ好きの女の子がいました。
シンデレラは、早くに母を亡くし、再婚した父親は、流行りの軽キャンピングカーを買って日本一周の旅に出かけたまま戻らないので、
今は、意地悪な継母と二人の義理の姉と暮らしていました。
シンデレラ『あ〜あ、キャンプに行きたいな〜。』
『先月の"ふもとっぱら"からキャンプに行ってないし、そろそろキャンプ行きたい病が発症するっつうの。』
『そろそろって、言えば、ソロキャンプにも行ってみたいなぁ。』
『なんて、キャンプダジャレが出てきたら、本格的にキャンプ行きたい病だわ。』
『それにしても、"ふもとっぱら"って聞くと、"ふともも"と"腹"を思い出すのは私だけ?私だけ?私だけ?』
シンデレラは、こんな感じのネタを言う芸人の名前を思い出そうとしばらく考えました。
そうだ、"だいたひかる"だ。"レッドカーペット"だ。と閃いたその時。
継母『シンデレラ〜!。シンデレラ〜!。どこにいるの!!』
『今すぐいらっしゃい。』
『LOGOSのクイックシステムシリーズの設営よりも速くいらっしゃい!』
『来ないと、クイックシステムで、指を挟むわよ〜。』
シンデレラ『は〜い!今すぐ行きます。』
『サイトのチェックイン14時からなのに、勢い余って12時に到着するくらい早く行きま〜す!』
やれやれ。人使いの荒い継母だと、シンデレラはため息をつきながら継母の元へ行きました。
継母『シンデレラ、今度の、王子様主催のグルキャン※に着ていくアウターの準備はしてくれたんでしょうね。』
※グループキャンプの事だが、ここでは舞踏会と同義。
『今度のグルキャンは、王子様に姉さん達を見初めてもらうチャンスなんだから。』
シンデレラ『そのグルキャン、私も行っても・・・。』
継母『ダメに決まってるじゃないの。遊びじゃないの。』
『女子キャンばかりやって、嫁に行かないアラサーの姉さん達にとって、最後のチャンスなのよ。』
シンデレラはグルキャンに行きたくて仕方なかったものの、着ていく服もなければ、グルキャンで話題にできる新作ギアもなかったのです。
そして、グルキャンの当日。
継母と、2人の姉は新型ジムニーに乗り込み、キャンプ場へと出かけて行きました。
一人、取り残されたシンデレラ。
キャンプ道具の手入れをしながら、深いため息をつきました。
『ふぅ〜。』
吐いた息がペグに着いた泥を落とすと、ペグが光り輝き、その光の中から魔法使いのおばあさんが現れました。
魔法使い『どうしたんだい。そんなに深いため息をついて。』
『思ったよりも自動で膨らまなかったインフレーターマットでも膨らますつもりかい?』
シンデレラ『違うわ!』
『そして、車中泊用のインフレーターマットと、キャンプ用の物と、どちらがいいのか悩んでるわけでもないわ。』
『実は・・・、私も王子様主催のグルキャンに行きたいのに、着ていくオシャレな服もなければ、話題にできる様なギアを持ってないの。』
魔法使い『まぁ、可哀想に・・・。』
『そんな可哀想なシンデレラに、私が魔法をかけてあげましょう。』
魔法使いは
魔法の言葉を唱えました。
『タラスブルバ、サウスフィールド、ビジョンピークス』
『ハイランダー!!!』
すると、シンデレラの身体が光に包まれたのです。
つづく➡
週刊 失敗キャンプ part2
◎以下の項目のうち、当てはまるものはいくつありますか?
あなたの《失敗キャンパーレベル》が分かります。
① 物忘れが激しい。
② 体力が落ちてきた。
③ テントのフライシートの表裏を間違えて設営したことがある。
④ 隣のサイトの人からよく注意を受ける。または、隣のサイトの人が楽しそうでないと感じる。
⑤ ペグを引き抜くと、十中八九飛んでいく。
⑥ 他のキャンパーを管理人さんだと思って話しかけた事がある。
⑦ スクリーンタープの中にいる方が何かと危険だと思う。
⑧ 雨キャンプだとはしゃいでいたら、大雨洪水警報が出ていた。
⑨ 忘れ物をしても、『忘れ物も含めてキャンプだ』という誰も言っていない格言を持ち出して、責任の所在をうやむやにする。
⑩ キャンプ中に、しばしば妻の視線の冷たさを感じる。
1〜4コ・・・潜在的な失敗キャンパーに違いない!
そして、猫が好きに違いない!
5〜6コ・・・失敗キャンパーの素質あり。大化けするかも。頑張って!
そして、猫アレルギーになりかけています。
7〜9コ・・・お気の毒ですが、どこに出しても恥ずかしい失敗キャンパーです。
そして、猫ひろしになりかけています。
※この結果は高度な秘密性を有する個人情報となります。他言は避けてください。
10コ・・・年間ベスト失敗キャンパー認定。あなた以上の失敗キャンパーはいないでしょう。
『週刊失敗キャンプ』のインタビュー取材に、ウチの猫が伺います。
11コ・・・老眼です。メガネ屋へGO!!
キャンプ世界の童話 大きなカブ③
大きなペグ③
前回②はこちら
そこに現れたのは、おばあさんでした。
テントの中で孫と遊んでいたおばあさんが、おじいさんの背後で仁王立ちしていました。
おばあさん『ジジイ!袴田、袴田って、うるさいわ!』
『ペグを抜くのにいつまでかかってるんじゃ!』
『ペグなんて、こうすりゃ抜けるじゃろ!』
おばあさんは、そう言うと、刺さっているペグに向かって、もう一本のペグをハンマーで突き刺していきました。
そして、刺したペグを持ってグリグリと回し始めました。
おばあさん『これがアルキメデス直伝のテコの原理じゃ〜。』
すると、ペグは徐々に姿を表し出しました。
おばあさん『ほれ、ここまで見えたら、後はこうじゃ!』
『ほりゃっ!ドラゴンスクリュー!!!』
そう言うと、おばあさんは後から刺した方のペグを持って跳び上がり、空中で華麗に横回転しました。
刺さっていたペグは、おばあさんの横回転により見事抜けました。
キャンパー①『あの技は!間違いない!伝説のペグ抜き三大奥義の一つ、ドラゴンスクリューだ!』
キャンパー②『なぜ、こんなおばあさんが伝説の奥義を?!!』
おばあさん『ほれ、抜けたぞ。』
おじいさん『ばあさんが、なぜそんな技を・・・?』
おばあさん『実は・・・。ワシは、おじいさんと出会う前に、数年間、キャンプの修行で山寺にこもっていたんじゃ。』
『この技は、そのときにお師匠さんから伝えられたものじゃ。』
おじいさん『そんな・・・。ばあさんに、そんな過去があったなんて・・・。』
おばあさん『黙っていて悪かったよ。おじいさんはインドア派で、キャンプなんて嫌いなのかと思ってたんじゃ。』
『でも、おじいさんがキャンプを好きになってくれるんなら、これからは、二人でキャンプに行くことにしようかの?』
おじいさん『そうじゃな。本物のベテランキャンパーと一緒なら楽しそうじゃ。』
『色んな奥義も見てみたいし。』
キャンパー①『師匠!是非とも、今の技をご教授ください!』
キャンパー②『いや、私にこそ、お教えください。私は年間20泊もしている・・・。』
おばあさん『うるさいわ!』
『この技は一子相伝。息子か孫に教えるつもりじゃ。』
おじいさん『こりゃ、これからの人生も楽しくなりそうだわい!』
おわり
週刊 失敗キャンプ
『こんな失敗キャンプは嫌だ』
のコーナー
積載編
◎荷物が多過ぎて車に載らなかったで、一部を降ろして家に置いていくことにしたが、必要なものまで降ろしていた。
レベル1
トングや着火剤を忘れて、不便な思いをする。
レベル10
食器や箸、ランタンなどを忘れると致命的。
レベル20
テント忘れた・・・。
レベル100
あれ?子供どこいった?
◎行きはトランクに収まったのに、帰りは後部座席まで荷物で一杯だ。
レベル1
テントやタープが袋に入らず、投げやりに後部座席に放り込んだ。
レベル3
後部座席の子供が、シュラフで埋もれている。
レベル10
後部座席では足らないから、帰りのためにルーフラックを購入した。
レベル100
あれ?子供どこいった?
◎なかなか載りきらず、何度も積み直したせいで、どこに何を積んだのか、誰も分からない。
レベル1
グラウンドシートどこ?
ペグはあるけど、ハンマーがない!
レベル100
あれ?子供どこいった?
皆さま。気をつけましょう。
※ちなみに、私は、犬をケージごと積み忘れかけた事があります。
◎「週刊 失敗キャンプ」とは・・・
これを読む事で、
自分のキャンプでの失敗を思い出してニヤっとしたり、
自分は失敗しない様に気をつけようと思ってみたり、
でも、失敗して「あぁ、この失敗、『週刊失敗キャンプ』に書いてあったのになぁ」とニヤっとするためのものです。
要するに、ニヤっとするのが目的です。
なお、『週刊』となっていますが、毎週刊行されるものではありません。
響きが「週刊少年ジャンプ」に似ているからというだけです。
また、「筆者にとっては、失敗キャンプが『習慣』になっているから」という理由もありますが、詳しい説明はご容赦ください。
キャンプ世界の童話 大きなカブ②
大きなペグ②
前回はこちら
そこに現れたのは、なんと、ベテランキャンパーでした。
各キャンプ場に、数える程しかいないと言われる、幻のベテランキャンパーです。
キャンパー①『あっ、あなたは、ベテランキャンパーさんですか?』
『本物のベテランキャンパーに会えるなんて・・・。』
おじいさん『なに?ベテランキャンパーじゃと?』
『見たところ、ペグを抜く何ちゃらリムーバーを持ってるキャンパーと変わらんじゃないか。』
『お前は何を持ってるんだ?』
キャンパー①『何を言ってるんだ。この方のかもし出す余裕のある雰囲気。そして、一流メーカーの名前が刺繍された、ゴアテックス素材のサファリハット。』
『サファリハットなんて、キャンプ以外で被らないから、一流メーカーの物を買うなんて、ベテランキャンパーだけのはず。』
『そして、なんと言っても、ベテランキャンパーの印であるエプロンをしているじゃないか!』
おじいさん『エプロンしてりゃベテランなのか?』
キャンパー①『そりゃ、ベテランでもなけりゃ、エプロンなんか恥ずかしくてできないだろ?』
『初心者がエプロン着けても、"いかにも"って感じになるんだよ。』
おじいさん『よく分からんが、そのエプロンキャンパーは、何を持ってるんだ?』
『エプロンのポケットから早く出せよ。』
キャンパー②『はっはっは。僕がベテランキャンパーがどうかは、自分では分からないよ。』
『まあ、年間20泊くらいしてるから、そろそろベテランキャンパーといってもいいかもしれないがね。』
『あと、このエプロンのポケットからは、何も出てこないよ。』
『出てくるのは、キャンプの経験と知識くらいかな? はっはっはっ。』
おじいさん『何が面白いのか分からん。』
『年間の泊まった回数で何か決まるのか?ポイントカードでもあるんか?アパか?袴田か?』
『ベテランなら、このペグを抜く方法を教えんかい!』
キャンパー②『はいはい。分かりましたよ。』
『いいですか、ペグを抜きたいなら、テコの原理を使うんですよ。』
『こうやって、もう一本ペグを用意して、そのペグを使って・・・。』
そう言いながら、キャンパー②は問題のペグに、もう一本のペグを噛ませようとしたのですが、
キャンパー②『こりゃ、ダメだ!こんなに埋もれてるなんて。頭の先っぽしか見えないじゃないか!』
おじいさん『だから、抜けないんじゃろが!』
キャンパー②『よぉ〜し。こうなったら、周りの土を除いてから・・・。』
そう言うと、キャンパー②は、ペグの周りの土を、もう一本のペグで掘り始めました。
おじいさん『なんじゃ、結局、ただペグで土を掘ってるだけじゃないか。』
『テコの原理はどこにいったんじゃ?』
『テコの原理と言いながら、穴を掘ってる姿をアルキメデスが見たら泣くぞ!』
『偉そうに泊まった回数まで発表しておいて、ベテランキャンパーを名乗るのは早かったようじゃな。』
『袴田に謝れ!』
『大事なエプロンが土で汚れとるぞ。』
おじいさんが、キャンパー②を攻め立てていると、
?????『いい加減にしなよ!』
そこに現れたのは・・・・
つづく➡
キャンプ川柳⑥
遠回り
オシャレサイトを
見てトイレ
◎オシャレなサイトや、変わったテントを見つけると、近くで見たいですよね。
◎でも、じっと見るわけにもいかないし、トイレや炊事場に行くときに、ワザワザ遠回りしてまで近くを通って、チラ見したりしてませんか?
◎こっちはチラ見のつもりでも、見られている方からは、鋭い視線に見えるので、気をつけましょう。
◎オシャレキャンパーさん!
どうなんですか?
見てもいいんでしょうか?
※ちなみに、私は、対して珍しくもないワンポールテントを設営中、隣のサイトの老人と子供に食いつかれ、勝手にテントの中まで入ってこられた事があります。
キャンプ川柳⑤
雨キャンプ
テント雨漏り
良いmemory
◎雨キャンプは、設営・撤収だけでなく、大変な事だらけ。
◎タープの排水が上手くいってなくて、気付くと一ヶ所に雨水がパンパンに溜まってるなんて、よくあります。
◎夜中に、テントの雨漏りに気付いたら、プチパニック。
でも、そんな大変な雨キャンプ。
終わってみると、晴れの日よりも、いい思い出になってたりするから、やめられませんよね。
ちなみに、私は、夜中に雨と風で、ドーム型テントのポールが折れ、テントが崩壊した経験がありますが、良い思い出です。
雨でも無理矢理タープ下で焚き火をやって、タープに穴を開けた事があるって人。
危険だし、なんの自慢にもならないけど、嫌いじゃないです。
キャンプ 世界の童話 大きなカブ①
【大きなカブ】
大きなペグ
ある家族が、祖父母を連れて、オートキャンプに来ていました。
おじいさんは、初めてのキャンプで、かなりテンションが上がっていました。
おじいさん『この歳でキャンプデビューなんて、オラ、ワクワクすっぞ!』
おじいさんは、最近、芸人の"アイデンティティー"にハマっていました。
父『さて、やっとキャンプ場に着いたぞ。早速設営しよう。』
設営を始めた父母。
5歳になる子供の面倒を見ているおばあさん。
おじいさんは、初めてのキャンプ場に興奮し、ウロウロと散策していました。
おじいさん『おや、これは何だろう?』
おじいさんが、サイトの通路近くで、何かを見つけた様です。
父『あぁ、それはペグだな。』
おじいさん『これが・・・。犬には見えんが・・・』
父『それはパグだろ!ペグだよ。ペグ!』
おじいさん『分かっとるわい!ボケてみただけだろうが!』
『お前は子供の頃から冗談が通じないつまらない奴だのう。』
『ノリツッコミを期待したワシが馬鹿じゃった。』
『ばあさん、手本を見せてやれ!』
おばあさん『そうそう、私が大好きだった韓流ドラマで大ブレークしたメガネの似合う、あの俳優さんね。』
おじいさん『そりゃ、ぺ・ヨンジュンじゃろが!!』
『ぺ、しか合っとらんじゃないかい!!』
『しかし、流石、ばあさん。すんなり返さんのぉ。』
おじいさんと、おばあさんは、したり顔でした。
父『それはそれとして、そのペグは、前にこのサイトを使った人が抜き忘れた物だから、おじいさん抜いておいてくれ。』
『子供が足を引っ掛けると危ないからな。』
おじいさん『そうか、じゃあ、ワシが責任を持って抜いておくとしよう。』
『このキャンプ場内の、ペグというペグは全て抜いて、お前が帰ってきたときには、キャンパー達から、ペグ抜きマスターと呼ばれておるわい。』
父『いや、それをやったら、妖怪ペグ抜きが現れたって騒ぎになるわ。抜くのは1本だけでいいから。』
おじいさん『じゃあ、もし抜けなかったら、お前が大事に育てていた、オピネルナイフで切腹したるわい!』
父『やめろ!やっとの事で、いい色あいになったのに、使えなくなるわ!』
おじいさん『どうせ手入れだけして使ってないじゃないか。』
父『うぅ・・・。何でそんな事知ってるんだ。』
『いいんだよ!ここぞってとき使うんだから。』
おじいさん『だから、ワシの切腹が、ここぞ、って時じゃろうが!』
父『うるさい!黙って抜けよ!』
そんなこんなで、
おじいさんは、ペグを抜くことになりました。
おじいさん『さて、コレ、どうやって抜くんじゃ?』
『頭の先がギリギリ見えるだけじゃぞ。』
『ギリギリガールズとは違って、本当にギリギリじゃ。』
『とりあえず、つまんで引っ張ればいいのか?』
うんとこしょ
どっこいしょ
それでもペグは抜けません。
ペグは、地面にズッポリと深く刺さっていました。
おじいさんがつまんで引っ張ったところで、びくともしません。
おじいさん『こいつ、やるな・・・。ワシに本気を出せという事か?』
『ワシが本気を出したのは、 初代ドラクエの竜王との戦い以来じゃ。』
『世界の半分を手に入れたワシを本気にさせるとは・・・。舐めてかかると、こっちがやられるわい!』
しかし、おじいさんの本気でも、ペグはウンともスンともいいません。
父『おい、じいさん。俺は今から管理棟に薪を買いに行ってくるから、帰って来るまでに抜いといてよ。』
おじいさん『お、おぉ。分かった。大丈夫じゃ。いや、ダイジョウブイじゃ。』
そうは言ったものの、おじいさんがいくら頑張っても、ペグはビクともしません。
おじいさんが途方に暮れて、パプリカダンスを踊っていると、
一人のキャンパーが声をかけてきました。
キャンパー①『おじいさん、どうしたんですか?』
おじいさん『いや、ペグが抜けなくてね。』
キャンパー①『ペグを抜くときは、これを使うと良いですよ。』
キャンパーは、そういうと、何やら取っ手の付いた器具を、おじいさんに手渡しました。
キャンパー①『コレは、ペグリムーバーという、ペグを抜くための器具さ。』
『さぁ、それを使って抜いてみるといいよ。』
おじいさんは、やってみました。
うんとこしょ
どっこいしょ。
それでもペグは抜けません。
おじいさん『何だこりゃ、全然ダメじゃないか。』
『ワシがキャンプ初心者だからって、偉そうにアドバイスしおって。』
『どうせお前も素人キャンパーじゃろ。』
キャンパー①『そりゃ、ベテランとは言えないけど、普通はそれで抜けるんだよ。』
『親切で言っただけなのに・・・。そこまで言わなくても。』
キャンパー①は泣き出しました。
すると、
????『アハハハハハハ、そんなんじゃダメさ!』
どこからか、笑い声が聞こえてきました。
そこに現れたのは・・・
つづく➡
※本作は、カブじゃなくてペグの話です。
カブマニアの方の期待を裏切ってしまった事を、ここに深くお詫び申し上げます。
『カブには興味はないからイイヨ!』って方は、続きをご覧ください。